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遺言の効力

各項目をクリックして、ご覧ください。

  1. 遺言の効力の発生
  2. 停止条件付遺言
  3. 遺贈効力発生時期

 

遺言の効力の発生

① 遺言は、一定の方式にしたがって遺言書が作成されたときに成立します。このとき、意思表示としても法律行為としても遺言は成立し、その効力発生の時期は、遺言者死亡のときに発生すると解されています。

 

② これに対し、遺言の意思表示としての効力は、遺言の成立すなわち遺言書作成のときに生じ、法律行為としての効力は、遺言者死亡のときに生ずる、と述べる見解もあります。

 

③ 遺言はいつでも遺言者が自由に撤回できるとされるため、遺言者死亡時までは、法律上保護されるべき固定的な権利義務関係がそこから生ずるとは言えません。遺言者死亡時までは、意思表示としても法律行為としても、その効力は生じないというべきでしょう。

 

④ 遺言は、遺言書作成のときに成立し、遺言者死亡のときに効力を生じ、それまでは遺言者はいつでもこれを撤回する自由を持ちます。したがって、たとえば、受遺者は、遺言の成立により遺言者死亡のときに遺贈を受けるという期待を持ちうるけれども、いつでも撤回されるという制限に服するために、かかる受遺者の期待は、法律上の権利と呼ぶに値しないでしょう。

 

⑤ 推定相続人は、被相続人の死亡により相続するという、いわゆる期待権的相続権を持っているが、相続開始までに廃除されることもあり、欠格事由が発生することもあります。

 

⑥ しかし、推定相続人を廃除するにしても、後に欠格事由ありとすることも、それにつき積極的事由があることを必要とし、被相続人の自由な意思表示により推定相続人の期待権は、みだりに奪われることはありません。

 

⑦ だが、同順位相続人の増加、先順位相続人の出現などにより影響を受け、その内容が弱いことになります。

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停止条件付遺言

① 遺言の内容に、条件を付することが許される場合(法律行為の効果を確定的に発生・存続・消滅せしめることを要するものに条件を付することは許されない。その例として認知)には、停止条件付遺言をすることができます。たとえば、受遺者の婚姻を停止条件として家屋を遺贈するというような場合です。

 

② 受遺者は、遺言者の死亡により停止条件付権利を取得し、条件の成就により完全な権利を取得することになります。推定相続人が犯罪の嫌疑によって拘留されたため、被相続人が推定相続人を廃除するという遺言は、刑の確定のときに効力を生ずる停止条件付遺言であると認められるでしょう。

 

③ 民法第985条第二項の「遺言は、条件が成就したときからその効力を生ずる」という文言は、遺言の効力は、遺言者死亡のときに停止条件的に発生し、条件が成就したときに無条件の遺言としての効力を生ずる、という意味に解せられるでしょう。

 

④ 遺言者が遺言により条件成就の効果に遡及効を与えるときは、その効果は認められて良いでしょうが、遺言者の死亡前に遡及することは許されません。

 

⑤ 停止条件付遺言がなされたが、遺言者死亡以前に条件が成就すれば無条件の遺言となります。また、不成就が確定すれば、条件にかかる内容につき無効の遺言となります。

 

⑥ 解除条件付遺言も可能であり、遺言者死亡のとき、すでに条件が成就していれば無効の遺言となり、不成就に確定しているときは、無条件の遺言となります。死亡後に条件が成就すれば、そのときから遺言は効力を失います。

 

⑦ 始期または終期を付することが許される遺言内容であれば、始期付または終期付遺言が可能です。遺産分割禁止に関する遺言は、禁止につき、遺言者の死亡後5年を超える終期を付することは許されません。

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遺贈効力発生時期

① 遺贈がなされたとき、その効力発生の時期に理論上問題がないわけではありません。遺言者死亡のときに効力が当然に発生するとすれば、受遺者の意思とは無関係に効力が生ずることになります。

 

② しかし、受遺者には、遺贈を承認するか放棄するかの自由があり、放棄の効力は遺言者の死亡時に遡及するので、受遺者にとり結果的にはその意思が無視されるということにはなりません。だが、放棄の手続きをとるという面倒もあり、それまでの間に生じた法律関係に受遺者を巻き込んでしまうこともあります。

 

③ そのために、遺贈の効力を遺言者死亡のときに、当然に生ずるとはしないで、その効力発生を受遺者の意思にかからしめてはどうかという疑問が生じてきます。受遺者が遺言者の死亡を知らないときでも、また遺贈の事実を知らなくてもその効力が生ずることを考えれば、当然に生じてくる疑問です。

 

④ しかし、遺贈は受遺者の利益になるものであり、それを嫌う受遺者には放棄の自由があり、放棄手続きに若干のわずらわしさがあるにしても、格別の不利益を強制するとまでは言えないでしょう。また、遺贈が受遺者の承認のときから効力を生ずるとすれば、承認までの利益は相続人に帰し、あるいは、相続人が目的物を処分するなどの行為により、受遺者に不利益を与えることもあります。よって、遺言者の意思にも反すると考えられるので、遺贈の効力は、遺言者死亡のときに発生するとされたのです。

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