特別受益者の相続分

千間台駅前大学の、居眠教授の民法相続法ゼミを始めます。今日は「特別受益者の相続分」についての講義を行ないます。
いつも通り質問をどんどんしますので、居眠りはできませんよ。

教授:A君、特別受益者とは、どういう人のことですか。

A君:はい。特別受益者とは、被相続人から生前贈与や遺贈を受けた者をいいます。

教授:B君、その特別受益者は、法律で定められていますか。

B君:はい。民法第903条が、「特別受益者の相続分」を規定しています。

教授:C君、その民法第903条の趣旨を簡単に説明してください。

C君:被相続人から、贈与や遺贈を受けた者がある場合、これらの事実を考慮しないで、相続分を計算すると、特別受益者は、二重の利得をします。
これでは、相続人間で不公平な結果となります。また、被相続人の意思に反するとも考えられます。
そこで、民法は、このような場合の具体的相続分の算定を定めたのです。

教授:ではD君、特別受益となるのは、どのようなものですか。

D君:特別受益の範囲のことですね。
次のものが、規定されています。
第一に、相続人が、被相続人から受けた遺贈です。
第二に、相続人が、被相続人から生前に、婚姻・養子縁組のため、もしくは生計の資本として受けた贈与です。

教授:おや、第二の生前贈与は、すべての贈与ではないのですか。

D君:はい。婚姻・養子縁組のため、もしくは生計の資本として受けた贈与に限定です。

教授:これらの贈与は、たとえば、相続開始前1年間にしたものに、限定されるとかされるのでしょうか。今度はA君が答えてください。

A君:いいえ。
相続開始前1年間にしたものに限定されるとかの、規定はありません。

教授:次、C君。共同相続人の1人が、受取人とされた死亡保険金は、相続財産ですか。

C君:いいえ。これは、相続財産にはいりません。

教授:そうすると、特別受益にはならないのですか。

C君:はい。最高裁判所の判決では、特別の事情がある場合は別ですが、原則として特別受益に当たらないとしました。

教授:B君、特別受益としての生前贈与について、価額評価が問題となると思いますが、受贈時を基準とするのですか。

B君:いいえ。相続開始の時が基準となります。

教授:それではD君、贈与されたお金を全部使い切り、相続開始時になくなっていれば、特別受益とならないのですね。

D君:いいえ。相続開始時に、原状のままであるものとみなして、評価します。
すなわち、受贈者の行為によって、贈与の目的である財産が滅失し、またはその価格の増減があったときでも、相続開始の時において、なお原状のままであるものとみなして、評価されるのです(民法第904条)。

教授:次、E君。家屋をもらって、建増しをした場合でも、建増しをしないままで存在するものと仮定して評価するのですね。

E君:そのとおりです。
特別受益の価額が、相続分の価額を超える場合もありえますね。

教授:A君、この場合、その超えた部分を他の相続人に償還するのですか。

A君:いいえ。超過した分は、返さなくてもよいです。

教授:被相続人が、贈与分をその者の特別取り分とすると、遺言に書いた場合はどうなりますか。はいB君。

B君:この場合は、被相続人の意思を尊重して、それに従います。
たとえば、遺産は、その者を含めて法定相続分に従って分配すると、遺言に書かれていれば、持戻しは免除されます。

教授 : よくできましたね。
それでは、今日のゼミは、これで終わります。

 

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