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相続分の指定 越谷の相続・遺言・相続放棄などのご相談は美馬司法書士・行政書士事務所
相続分の指定の意義
被相続人は、被相続人の意思にもとづき共同相続人全員または一部の者について法定相続分の割合と異なった割合を定めることができます。これを相続分の指定といいます。
起草者は、被相続人が共同相続人の個別事情を考慮して相続分を指定することによって、具体的な公平が実現されるとして、相続分指定制度を設けました。
平成30年改正は相続分の指定に関して、相続分の指定の効力は遺留分を侵害しない限度で認めると定めていた条項が削除されました。
理論的課題
相続分の指定については、被相続人の意思にもとづく遺産分配を可能にする方法は、相続分指定のほか相続人に対する遺贈や遺産分割方法の指定があり、これらの制度と相続分指定制度の関係をどのように考えるかが大きな問題となっています。
また、相続分の指定については法定相続分に意味を見出せず、ただ相続分の指定とい行為があったと解するべきか、それとも法定相続分を基準とし、それを変更する行為と捉えるか見方の違いがあることが指摘されています。
この点については、平成30年改正により新設された法文(899条の2)において、法定相続分の指定を超える部分について対抗要件具備が必要とされたことを踏まえて、後者の理解の妥当性が説かれております。
相続分の指定の方法
相続分の指定は、被相続人が自ら指定するか、第三者に指定を委託し当該第三者が指定することによってなされます。
方式
被相続人による指定も、第三者の指定の委託も必ず遺言でなされなければなりません。
これは、死者の意思を厳格な方式によって確保すること、および相続分の指定を生前に公表した場合に紛争になるおそれがあることによります。
さらに、相続人の増減、相続財産の増減、その他の事情の変化に際して変更の余地を残しておくことが適当であるとされたことによります。
そのため、遺言以外の生前行為による指定、または指定の委託はたとえ相続人全員による協議にもとづき決定された場合であっても無効とされます。
相続分の指定の委託
趣旨
被相続人は、遺言により第三者に指定の委託をすることができます。
被相続人自らが指定しにくい場合に対処したり、相続開始前までに相続財産の増減や相続人の出生・死亡・廃除などの事情の変化に適合する遺産分配がなされたりするように、第三者による相続分の指定が認められたのです。
指定の委託を受ける第三者
指定の委託を受ける第三者に相続人、包括受遺者が含まれるかどうかについて、見解が分かれています。
第一は、相続人・包括受遺者は含まれないとする見解です。
第二は、相続人の一人に指定を委託しても差し支えないとする見解です。
第三は、相続人や包括受遺者が自己の相続分を指定しない場合に限って、相続人や包括受遺者を第三者に含めてよいとする見解です。
指定の委託の諾否
指定の委託を受けた第三者は、委託を承諾すべき義務を追うわけではなく、受諾するかどうかを決めることができます。第三者による指定の委託の効力は、第三者が指定の委託を承諾した場合に生ずるとされます。
指定を受けた第三者が、委託を拒絶した場合または委託を承諾したにもかかわらず指定できない場合には、指定の委託は効力を失い法定相続分が適用されます。
第三者が指定の委託を承諾するかどうか不明な場合や承諾したにもかかわらず指定しない場合には、相続人などの利害関係人が第三者に対して相当の期間内に指定の委託を受けるか否かの催告を行い、その期間内に確答がない場合には、委託を拒絶したものとみなして法定相続分による分配とするものと解されています(民法114条の類推適用)。
指定の委託を受けた者と遺言執行者の関係
相続分の指定の委託を受けた者は、相続分割合を指定しその後の実行などは共同相続人にゆだねれば足ります。
ただし、被相続人が第三者に対して相続分の指定のみならずその実行を委託した場合には、当該第三者は指定の委託とともに遺言の執行を委託されたものとみなされます。
委託による指定
指定の委託を受けた第三者による指定行為には、何らの方式も要しません。
委託による指定は相手方のない単独行為であると解する見解があります。
これに対して、相手方への告知がなくとも効力が生じるというのでは、法律関係が不安定になるとして指定を受ける各共同相続人に対する告知が必要であり、所在不明の相続人に対しては公示の方法によるべきとする見解が唱えられています。
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