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死因贈与と遺贈の相違点 越谷の相続・遺言・相続放棄などのご相談は美馬司法書士・行政書士事務所
法律行為などの違い
死因贈与は、契約であり贈与者と受遺者の合意によって成立します。これに対し、遺贈は遺言によって自己の財産を一方的に法人に譲渡する行為(単独行為)です。
また、死因贈与は契約ですから、18歳以上でないと単独で死因贈与契約ができません。18歳未満の人が死因贈与契約を締結するには、法定代理人の同意が必要です。
これに対し、遺贈は遺言ですので15歳以上であればできます。
なお、民法554条では、死因贈与には、その性質に反しない限り、遺贈の規定が準用されると規定しています。
両者の違いとしては、たとえば①死因贈与は遺贈とは異なり、様式行為ではないので遺言の方式に関する規定(民法968条)は準用されません。
② 死因贈与は遺贈と異なり契約であるので、遺言能力に関する規定(民法961条、962条)、および遺贈の放棄・承認に関する規定(民法986条以下)も準用されないと解されています。これに対し、受遺者が遺言者の死亡前に死亡したときは効力が生じない旨の規定(民法994条)は準用されると解されています。
放棄・撤回に関する違い
遺贈について
受遺者は遺言者の死亡後、いつでも放棄できます。
また遺言者は、いつでも遺言の方式にしたがって、その遺言の全部または一部を撤回することができます。
死因贈与について
死因贈与の撤回については、遺言の撤回に関する民法1022条の規定(遺言の方式にしたがって、その撤回ができる旨の規定)が、その方式に関する部分を除き準用されると解されています。
また、前の死因贈与はその内容において、抵触する後の遺贈や生前処分(たとえば生前贈与や売買)により、撤回されたものとみなされます。
しかし、負担付死因贈与契約の場合で、受贈者がその契約にしたがい、負担の全部またはそれに類する程度の履行(先履行)をした場合には、受贈者を保護する見地から、特段の事情のない限り撤回ができないものと解されています。
また、訴訟の継続中に裁判上の和解において、土地の死因贈与が成立した場合には、贈与者は自由に撤回することができないとする裁判例もあります。
仮登記の可否について
遺贈は、遺言者の生存中において、遺贈の対象である不動産について、所有権移転の仮登記をすることはできません。
これに対し、死因贈与の場合は、贈与者の生存中において、その対象不動産について、所有権移転請求権保全の仮登記をすることができます。この仮登記は、登記実務において「始期付所有権移転仮登記」といわれ、所有権移転の順位の保全効があります。
この仮登記申請は、仮登記義務者(贈与者)と仮登記権利者(受贈者)との共同申請が原則であるところ、仮登記義務者の承諾があるときは、その承諾書(印鑑証明書付き)を添付すれば、仮登記権利者が単独で申請できます。
そして、公正証書に仮登記義務者(贈与者)が、上記仮登記手続きを申請することを承諾した旨の文言があるときは、登記実務上、当該公正証書の正本または謄本を添付すれば仮登記義務者(贈与者)の承諾書およびその印鑑証明書の添付を要しない取り扱いとなっています。
なお、死因贈与契約は、口約束でもよいですが、書面によらない場合には、履行されていない限り、いつでも契約を取り消すことができます。したがって、上記のような観点から、死因贈与契約は、必ず書面にしておくべきですし、また、できるだけ公正証書にしておくことがよいと思われます。
ちなみに、農地については、死因贈与契約の場合および特定遺贈の場合には、農地法の許可が必要になりますが、包括遺贈の場合には農地法の許可は必要ありません。
遺留分侵害額の負担の順序について
遺留分侵害額の負担の順序については、民法1047条1項に規定されていますが、死因贈与については規定がなく、学説も分かれています。
下級審裁判例(東京高等裁判所判決平成12年3月8日)では、死因贈与は、遺贈に次いで生前贈与より先に遺留分侵害請求の対象となるとしています。
不動産登記の登録免許税などの違い
不動産登記の登録免許税
死因贈与は、上記のとおり贈与者が生存中であれば、所有権移転の仮登記(始期付所有権移転仮登記)ができますが、当該仮登記の登録免許税は、土地および建物の固定資産課税台帳の価格(千円未満の端数は切り捨て)の1000分の10です。
また、贈与者死亡後に仮登記を本登記(所有権移転登記)にする際の登録免許税は、固定資産課税台帳の価格の1000分の10です。なお、仮登記をせずに、直接本登記(所有権移転登記)する際の免許税は、固定資産課税台帳の価格の1000分の20です。
これに対し、遺贈の場合で、相続人に対する遺贈については、「相続させる」旨の遺言(特定財産承継遺言)と同様に、その所有権移転登記の登録免許税は、固定資産課税台帳の価格の1000分の4です。
しかし、受贈者が相続人でない場合には、固定資産課税台帳の価格の1000分の20です。
不動産取得税(都道府県税)
不動産取得税は、相続(包括遺贈や被相続人からの相続人に対する遺贈も含む)による不動産の取得に対しては課税されません。
これに対し、死因贈与は、贈与と同様に課税されます。
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