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自筆証書遺言 越谷の相続・遺言・相続放棄などのご相談は美馬司法書士・行政書士事務所
① 自筆証書遺言に自署が要件とされているのは、筆跡によって遺言者本人が書いたものであることが判別でき、それによって、遺言がその者の真意にもとづくものと判断することができるからです。「自署」とは、遺言者が自分で書くことを意味するので、遺言者が文字を知っており、これを自らの意思にしたがって筆記することができなければなりません。したがって、遺言者が文字を書けない場合は、自筆証書遺言をすることはできないのです。
② 問題は、遺言者が、ケガや病気のために自分ひとりではきちんとした文字が書けない状態であることから、他人に補助してもらって書いたような場合です。たとえば、Aは遺言書を作成しようと思ったが、病気のために視力が衰え、かつ手が震えて一人では満足な字を書くことができない場合があります。そこで、妻Bに自分の手を握らせて添え手をしてもらった状態で、一字一字書こうとする文字を声に出して明らかにしながら、ようやくにして遺言書を書き上げたところ、遺言書の字はかなり整ったものになった例があります。
③ この場合、この遺言は果たして遺言者の自署と言えるのでしょうか。判例は、運筆について他人の添え手による補助を受けていても、遺言者は添え手をした他人から、単に筆記を容易にするための支えを借りただけであり、添え手をした他人の意思が介入した形跡のないことが筆跡の上で判定できる場合には、有効な自署があったとしています。
④ 自署を要求するのが、その筆跡によって、本人の書いたものであることがわかるというところに意味があるとすると、パソコンで書いたものは認められません。カーボン複写による自筆証書遺言書は、自署の方法として許されています。
⑤ 日付の記載は、遺言の成立の時期を明確にするために必要とされています。遺言作成時での遺言能力の有無や、複数の遺言が存在する場合に、その前後を判断するうえで、日付は不可欠です。
⑥ したがって、暦上の特定の日を表示するものといえるように記載しなければなりません。ただし、客観的に特定できるものが示されていれば、日付の要件はみたされます。たとえば、「60歳の誕生日」とか「会社定年退職の日」という記載でも認められています。
⑦ しかし、年月の記載の後に「吉日」と記載されている場合、これは特定の日を指すものではないため、日付と言えません。判例も、このような遺言書は日付の記載を欠くものとして無効としています。
⑧ 記載された日付が、真実の作成日付と相違していても、その誤記であること、および真実の作成の日が遺言証書の記載その他から用意に判明する場合には、日付の誤りは遺言を無効とするものではありません。たとえば、「昭和48年」とすべきところ「昭和28年」と記載した場合や「平成2000年」の記載は、誤記として無効ではないとするのが判例です。
⑨ 遺言書を書いた日として、記載の日付と実際に書いた日が異なる場合、その効力が問題となります。判例は、遺言者が遺言書のうち日付以外の部分を記載し署名して押印して、その数日後に当日の日付を記載して、遺言書を完成させた場合、当該遺言は、その日付が記載された日に成立された遺言として有効としています。
⑩ 氏名の自署は、遺言者を特定する目的のものですから、その目的を達成することができる限り、戸籍上の氏名でなくても構いません。たとえば、婚姻前の氏、その他の通称、ペンネーム、芸名、雅号でも構いません。氏または名の一方しか書いていなくても、それによって遺言者が誰かわかるならば有効です。判例では、「親治郎兵衛」という氏のない名のみの表示でも適用とされた例があります。
⑪ 自筆証書遺言には、押印を要求されています。自分の氏名を書いた後に印を押すのです。自分の意思でこれを書いたということと、その文書の作成が完結したということを示すためです。遺言に用いる印は、実印である必要はありません。拇印でも判例によって認められています。
⑫ 一般の契約書などで文書が何枚にもわたっている場合、綴じ合わせてその綴じ目に押印することによって、連続した一つの文書であることを担保しようとするのが通例です。遺言の場合も、数枚にわたる場合、全体として一通の遺言書として作成されたものであることが確認できるならば、牽引でなくてもよいし、そのうちの一枚に日付・署名・押印がされていれば、有効というのが判例です。
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