成年被後見人の遺言

第973条

一 成年被後見人が、事理を弁識する能力を一時回復したときにおいて遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。

二 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をするときにおいて、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書における遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。

 

① 本条は、1999年(平成11年)の、成年後見法の改正によって、従前の禁治産者の遺言に関する規定の文言が修正されたことにより、成年被後見人の遺言について定めるものとなったものです。

 

② 遺言は、遺言をしようとする者が自ら行うべきものであり、通常の法律行為のような代理には親しみません。内容的には、遺贈をはじめとして財産の処分がその中心となるので、財産法上の行為能力を要求することも考えられるが、民法では、遺言者本人の最終意思を尊重するために、満15歳になれば遺言をすることができるものとしています。また、行為能力を制限されている者(成年被後見人、被保佐人、被補助人)であっても、行為能力の制限の規定は遺言には適用されません。よって、後見人、保佐人、補助人の同意を必要とせず、同意がなかったことを理由に遺言を取り消すことはできません。ただし、遺言時に意思能力があることが前提です。

 

③ 本条では、成年被後見人が、事理弁識能力を一時回復した場合において、遺言をするときは、二人以上の医師の立会いが必要であるものとされています。最近では、認知症高齢者の遺言能力をめぐる争いが増加しています。

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