公正証書遺言(その3)

① 公正証書遺言には、遺言者の口授が必要です。本条に言う遺言者の口授とは、遺言者が遺言の内容を、公証人に直接に口頭で伝えることです。規定のうえからは、口授、筆記、読み聞かせ・閲覧、そして承認という順序が予定されています。

 

② しかし実際には、予め作成し交付された下書きないしメモ書きに基づいて公証人が証書を作成しておいて、その後に、遺言者による口授を受け、それが書面の内容と一致していることを確認して、読み聞かせをする場合、あるいは清書した証書を読み聞かせたあとで、遺言者がそれを承認する形で口授する場合も少なくないようです。これについて判例は、たとえ順序の変更があっても、全体として方式を踏んでいるならば遺言は有効であると解しています。

 

③ また、一字一句漏らさず口授する必要はありません。たとえば、遺贈の目的である物件を特定できる程度に遺言の趣旨を口授していれば、詳細は覚書にゆだねて口授を省略しても良いとされています。「遺言の趣旨は先に交付し置きたる書面の通りなり」というものでも、有効な口授として認められた例があります。

 

④ 筆記に際しては、遺言者の口述をそのままの言葉で書き写す必要はなく、遺言の趣旨が明確に記載されていれば足ります。実際に筆記するのは公証人自身でなくてもよく、その指示にしたがって、公証役場の書記が書いた場合も、効力を妨げられることはありません。また、判例は遺言者の面前で筆記する必要もなく、別室において行った場合も有効であるとしています。

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