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相続分の指定と相続放棄 越谷の相続・遺言・相続放棄などのご相談は美馬司法書士・行政書士事務所
問題の所在
被相続人が相続分の指定をしたが、その指定を受けた者の一部が相続放棄をした場合に、相続人の相続分がどのようになるかが問題になります。
相続放棄によって当該相続人ははじめから相続人とならなかったものとみなされるため、相続人でない者に対する相続分指定もなかったことになります。
この場合において、他の相続人の相続分はどのようになるかという問題が生じます。
これについて、相続分の指定全部が無効となり、法定相続分によるべきと考えることもできます。
しかし、遺言はできるだけ有効として解釈すべきであるとして、相続放棄をした被指定者の相続分の指定のみが一部無効になる、という考え方が支持されています。
設例1
相続人として子A・B・C・Dがいる場合、被相続人がAに1/2、Bに1/4、Cに1/4という相続分の指定をしたが、Cが相続を放棄しました。放棄した、という事例を考えてみましょう。
AおよびBに対する相続分の指定は有効です。相続放棄をしたCに帰属するはずだった1/4の相続分が誰にどのように帰属するかが問題になります。
この場合、被相続人は相続人Dには相続分を与えない意思を有していると解されます。
この1/4の相続分は、AおよびBにその指定相続分に応じて帰属するものと解され、指定相続分について不完全な指定があった場合と同様の処理をすることになります。
それによると、各自の修正された相続分は次のようになります。
Aの相続分
1/2×1/二分の1+四分の1=2/3
Bの相続分
1/4×1/二分の1+四分の1=1/3
設例2
次の設例を考えてみましょう。
相続人として、子A・B・C・Dがいる場合、被相続人がAに1/3、Bに1/3、Cに1/4という相続分の指定をしたが、Cが相続を放棄した場合です。
本設例の場合は、Dに相続分の指定がされていません。このような場合については、次の2つの解釈が考えられます。
一つの考え方は、相続分の指定がされていないDは、本条2項の「他の相続人」に該当するとして、A1/3、B1/3、Dは1/3となると解します。
もう一つの考え方は、Cが相続放棄をしなければA1/3、B1/3、D1/12となったことを前提として、放棄された相続分(1/4)について、この割合でA、B、Dが取得するとします。
設例3
次の設例を考えてみましょう。
相続人として、子A・B・Cがいる場合、被相続人がAとBで1/2という相続分指定をしたが、Aが相続放棄をしました。
これについは、相続放棄をした相続人の相続分に関する部分が一部無効になるとしたうえで、遺言解釈の方法として、いくつかの考え方が示されています。
一つは、相続放棄をした相続人の相続分の部分は、放棄をしなかった相続人には帰属しないとする見解です。これによるとこの設例は次のように処理されます。
つまり、遺言者の意思を推測するとAとBで共同して、1/2を取得すべしとする相続分の指定は平等の割合で分配せよとの趣旨と通常解されることから、A・Bそれぞれに1/2×1/2=1/4の相続分が指定されたことになります。
そのうえで、Aの相続放棄によりAの相続分指定が無効となった以上、Bには1/4の指定があったことになります。
これに対して、相続放棄をした相続人の相続分部分は放棄しなかった相続人に帰属するとの見解もとなえられています。
こうした処理は、被相続人がAとBの強い共同関係を考慮して、AとBで1/2を取得してほしいと考えている事情がある場合に適合的であると指摘されています。これによると、Bは単独の相続分として1/2を取得することになります。
不完全な相続分の指定
被相続人が相続人全員について、直接相続分を指定しているが、相続分の指定の合計が遺産全体に対して不足または超過する場合が問題になります。
これについて、相続分の指定を無効として法定相続分によると考えることもできます。
しかし、多くの考え方は遺言解釈の問題としてできる限り遺言を有効として解釈すべきだとしています。
したがって、各指定相続分を比例的に増加または減少させて各共同相続人の相続分を算定すべきとされます。
指定相続分が不足する場合
被相続人が、子A・B・Cについて、Aに1/2、Bに1/4、Cに1/6という相続分指定をした場合、相続分の合計は11/12となり、指定相続分に不足を生じています。
この場合、各共同相続人の相続分は、次のように修正されます。
Aの相続分 1/2×1/2分の1+4分の1+6分の1=6/11
Bの相続分 1/4×1/2分の1+4分の1+6分の1=3/11
Cの相続分 1/6×1/2分の1+4分の1+6分の1=2/11
指定相続分が超過する場合
被相続人が、子A・B・Cについて、Aに1/2、Bに1/3、Cに1/4という相続分指定をした場合、相続分の合計は13/12となり、指定相続分に超過が生じています。
この場合、各共同相続人の相続分は、次のように修正されます。
Aの相続分 1/2×1/2分の1+3分の1+4分の1=6/13
Bの相続分 1/3×1/2分の1+3分の1+4分の1=4/13
Cの相続分 1/4×1/2分の1+3分の1+4分の1=3/13
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