相続分の指定(その6)

① 相続分の指定は、被相続人自身が定めたときは、遺言の効力発生の時から、第三者に委託したときは、遺言が効力を生じた後、第三者が指定することにより、相続開始の時に遡及して効力を生じ、各共同相続人の相続分が定まることになります。

 

② 被相続人、または指定の委託を受けた第三者による相続分の指定は、遺留分に関する規定に違反することはできません。この場合、遺留分を侵害する指定分は、当然無効ではなく、遺留分権利者の減殺請求に復せしめられるに過ぎない、と解するのが通説的見解です。

 

③ 相続分の指定があれば、その効力は相続債務に及ぶか、という問題があります。

被相続人の意思だけによって、相続債務の負担の割合を変更するには相続債権者の同意を要すると解すべきでしょう。

 

④ そして、相続債権者の同意が得られない限り、相続分の指定は、共同相続人間の内部関係にとどまり、相続債権者に対しては、主張できないと解すべきでしょう。それでないと、相続債権者が、不利益を受けるおそれがあります。

 

⑤ したがって、共同相続人は、相続債権者に対しては、法定相続分に従った債務を負担している、と解すべきであるとされます。

 

⑥ 指定相続分と登記の関係があります。

例えば、相続人はA・Bの二人の子のみであって、被相続人がAに四分の三、Bに四分の一の指定をしました。ところが、Bが法定相続分の登記をして、その持分全部である二分の一を第三者甲に、譲渡しました。

 

⑦ 最高裁平成5年の判決は、指定相続分を超える部分は無権利の登記であり、第三者は指定相続分の持分を取得するにとどまるとしました。したがって、Aは甲に対し、Bの指定相続分の四分の一を超える部分について、登記がなくても、甲にその旨を主張できることになります。

ページトップへ戻る
Copyright© 越谷市の相続・遺言の相談手続き(せんげん台駅1分/土日祝営業) All Rights Reserved.
【掲載の記事・写真・イラストなどの無断複写・転載等を禁じます】