相続分の指定(その3)

① 遺言書で、「特定の相続財産を、特定の相続人に与える」という内容が、記載されていた場合、特別の事情のない限り、遺産分割方法の指定とみるべきで、特に、その特定の相続財産の価額が、当該相続人の法定相続分を超えるときは、相続分の指定を含む遺産分割方法指定とみるべきである、との考え方が有力であるとされています。

 

② 被相続人が、相続人全員の相続分を指定したが、それらの相続分の指定を合計したものが、遺産全体に対して不足あるいは超過する場合が、あり得ます。その場合であっても、その相続分の指定を無効として、法定相続分によると解すべきではありません。

 

③ 各指定相続分を比例的に修正して、各共同相続人の真正の相続分を算定すべきです。

これは、遺言解釈の一つの場面であって、遺言をできる限り有効として解釈すべきであるとの考え方に基づくものです。

 

④ 例えば、被相続人甲の相続人は、A・B・Cであるが、その相続分は、Aが2分の1、Bが4分の1、Cが5分の1、と指定された場合、指定相続分の合計は20分の19となって、不足しています。この場合も、相続分の指定を、無効と解釈すべきではありません。

 

⑤ 修正相続分は、次のようになります。

Aの指定相続分は、1/2=10/20、Bの指定相続分は、1/4=5/20、Cの指定相続分は、1/5=4/20 ですから、A10:B5:C4の割合で、修正します。

Aの相続分は、10/19、Bの相続分は、5/19、Cの相続分は、4/19、となります。

 

⑥ また、同じく被相続人甲の相続人は、A・B・Cであるが、その相続分は、Aが2分の1、Bが3分の1、Cが4分の1、と指定された場合、指定相続分の合計は12分の13となって、超過しています。

 

この場合の修正相続分は、次のようになります。

Aの指定相続分は、1/2=6/12、Bの指定相続分は、1/3=4/12、Cの指定相続分は、1/4=3/12 ですから、A6:B4:C3の割合で、修正します。

Aの相続分は、6/13、Bの相続分は、4/13、Cの相続分は、3/13、となります。

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