相続分の指定(その2)

① 遺言によって、指定の委託を受けた第三者は、諾否の自由を有し、委託を承諾すべき義務を負うわけではありません。

 

② したがって、第三者が委託を拒絶した場合、あるいは、委託を承諾したにもかかわらず、指定しない場合および指定することができない場合が、問題となります。が、これに関しては、特に規定はありません。

 

③ しかし、委託を拒絶した場合、および承諾はしたが指定することができない場合は、指定の委託は効力を失い、法定相続分の適用があると解すべきです。

 

④ 相続分指定の態様に関してですが、相続分とは、相続人が相続財産を承継すべき割合をいうのであるから、本来、相続分の指定は、「相続財産の何分の何」というように、相続財産全体に対する分数的割合で、示されるべきです。

 

⑤ しかし、不動産・動産・株式などのように、相続財産の種類を指定しても、また特定の相続財産を指定しても、それが相続財産全体に対する相続すべき割合を指示している限り、さしつかえないと解されています。

 

⑥ したがって、特定の相続財産を、特定の相続人に与える趣旨の遺言がなされた場合、それが、相続分の指定、遺産の分割方法の指定、遺贈の、いずれに該当するかの問題が生じます。

 

⑦ 当該相続人に与えられた財産が、同相続人の法定相続分を上回っている場合は、そのいずれでも、結論に違いはありません。

 

⑧ しかし、法定相続分より少ない場合は、後二者であれば、同相続人はさらに他の相続財産を取得する余地があるのに対し、相続分の指定なら、その余地がないことになって違いが生じます。

 

⑨ そのいずれであるかは、結局遺言の解釈の問題に帰着し、遺言の文言、具体的内容などを検討して、決すべきでしょう。

 

⑩ その場合、相続分の指定と解すると、それが法定相続分を下回っていた場合に、他の相続財産を取得する余地がなくなることを考慮すると、相続分の指定と解する事には慎重であるべきでしょう。

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