法定相続分(その4)

① 身分関係が重複する場合の相続分は、どうなるのでしょうか。

例えば、祖父が孫を養子にする場合に、祖父と孫間という血縁関係があるうえに、養親子という法定血族関係が、重複して発生します。

 

② また、配偶者の一方が、他方の父母の養子となった場合に、兄弟姉妹という血縁関係の他に配偶者という身分関係が、重畳的に存在することになります。

 

③ このような場合に、相続が開始すれば、二個の身分を併有する相続人は、二つの地位に基づく相続分を加算した財産を、取得できるかという問題があります。

 

④ 戸籍の先例は、被相続人の長女の子が、被相続人の養子となっている場合に、長女が被相続人の死亡前に死亡しているときは、その子は、養子としての相続分と亡母の代襲相続人としての相続分を、合わせて取得するとして、両者の加算を認めています。

 

⑤ しかし、婿養子である夫が被相続人である場合に、その妻は、妻としての相続分のみを取得し、兄弟姉妹としての相続分は、取得しないとしています。

 

⑥ 法定相続分と相続債務についてですが、民法第900条の法定相続分は、積極財産の取得割合となるのみならず、消極財産、すなわち共同相続人が承継すべき相続債務の承継割合をも、定めるものです。

 

⑦ 法定相続と登記の問題があります。

共同相続人の一人である甲が、遺産である不動産について、勝手に単独所有名義の登記をしたうえ、その不動産を第三者丙に譲渡し、第三者名義の所有権移転登記がなされた場合、他の相続人乙は、登記が無くても自己の持分を、その第三者に対抗することができるでしょうか。

 

⑧ 最高裁判所昭和38年判例は、登記不要説に立つことを明言しました。

その理由として、甲の登記は、乙の持分に関する限り無権利の登記であり、登記の公信力がないため、丙も乙の持分に関する限り、その権利を取得することができないからであると、判示しています。

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