共同相続の効力(その4)

① 単純承認の後、遺産分割までの管理に関してですが、目的物の変更や処分行為には、相続人全員の同意が必要です。同意が得られない場合には、遺産分割手続によるほかありません。

 

② 特定の者を、相続財産の管理人に選任し、その管理を委ねるには、全員の同意が必要です。また、相続財産である農地に、宅地造成工事を施して、非農地化とすることは、改良の範囲を超え変更に該当します(最高裁判決平成10年)。

 

③ 銀行の貸金庫の開扉は、内容物の処分や変更に結び付きかねない行為ですから、全員の同意を要する、とされています。

 

④ 共同相続人の一人が、相続開始後に、遺産中の不動産を単独で占有する場合、相続分の割合において、過半数を有する他の相続人が、占有使用中の共同相続人に対して、明渡請求ができるでしょうか。

 

⑤ これについては、少数持分権者も、自己の持分に基づき、共有物を使用収益する権限を有します。そして、これに基づき占有するのですから、多数持分権者も、当然に明渡しを請求できるものではなく、明渡しを求める理由の主張立証を要します(最高裁判決昭和41年)。

 

⑥ なお、共同相続人の一人が、被相続人の生前から許諾を得て、遺産たる建物に同居してきたときは、特段の事情のない限り、両者間に、被相続人の死後、遺産分割による最終的確定までの間、引き続き無償使用させる使用貸借の合意(被相続人を相続した他の相続人が貸主、同居相続人が借主)が、推認されます(最高裁判決平成8年)。

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