共同相続の効力(その3)

① 単純承認の後、遺産分割までの共有状態における管理については、規定がありません。

管理に関して、共同相続人間で合意がまとまる場合は、その合意に従います。

 

② そうした合意がない場合の、共同相続人による管理に関して、保存行為は、各相続人が単独でなし得ます(第252条ただし書)。

 

③ 管理行為は、相続人の相続分の割合に応じた、多数決によります(同本文)。

また目的物の変更ないし処分行為は、相続人全員の同意を得て、行うことができます(第251条)。

 

④ 保存行為とは、財産の現状を維持するために、財産の滅失や損壊などを防ぐ事実行為および法律行為をいいます。例えば、次のような判例があります。

(1)相続不動産につき、相続人全員を名義人とする、保存登記(東京高裁判決昭和35年)。

(2)相続不動産について、相続人全員を名義人とする、相続による所有権移転登記(大阪高裁決定昭和40年)。

(3)無権利者が、相続財産を不法に占拠、侵害している場合に、その引渡しまたは妨害排除の請求(広島高裁米子支部判決昭和27年)。

(5)相続財産につき、無効な登記を有する者に対する、登記抹消請求(最高裁判決昭和31年)。

 

⑤ 管理行為には、財産の利用行為(収益をはかる行為)と、改良行為(経済的価値を増大させる行為)が、あります。

 

⑥ 遺産中の現金を、銀行預金とするのは、利用行為です。不動産の第三者への賃貸は、借地借家法や農地法などの適用により、返還請求が容易でなくなる場合は、管理行為といえないでしょう。

 

⑦ 第602条の期間を超えない賃貸借につき、管理行為とした裁判例もあります(東京高裁判決昭和50年)。

ページトップへ戻る
Copyright© 越谷市の相続・遺言の相談手続き(せんげん台駅1分/土日祝営業) All Rights Reserved.
【掲載の記事・写真・イラストなどの無断複写・転載等を禁じます】