共同相続の効力(その2)

① 不可分債務を共同相続した場合は、どうでしょうか。

不可分債務は、各共同相続人に不可分的に帰属し、各相続人は、全部につき履行すべき義務があります。不動産を引き渡す債務や、登記手続をなすべき債務が、これに該当します。

 

② 可分債務について、各相続人は、相続分により分割された範囲で、金銭債務を負担すると解する考えもあります(大審院決定昭和5年)。しかし、多数の学説は、債権者の保護の観点から、分割に親しまない性質上不可分と、解しています。

 

③ 連帯債務については、判例は、各相続人は、相続分に応じ分割された範囲で債務を負担し、負担部分も分割され、本来の債務者とともに、連帯して債務を負うとしています(最高裁判所判決昭和34年)。

 

④ しかし、学説の多くは、判例に反対しています。判例の考えだと、債権者は、債務所の死亡前と比べ、相続人全員からの取立ての手間や、回収不能のリスクが増大します。そうしますと、連帯債務の担保的機能が損なわれますし、法律関係も複雑になります。

 

⑤ したがって、全部給付義務という連帯債務の「連帯性」は、相続によっても維持され、各相続人は、全額の支払い義務を負い、負担部分が相続分に応じて分担されると、解しているのです。

 

⑥ 相続開始後に、遺産たる不動産が売却されたときの代金は、相続開始後に発生したもので、相続財産そのものではありません。遺産分割の対象に含めても良いのでしょうか。

 

⑦ 最高裁判所は、相続人全員の合意により、遺産中の特定不動産を第三者に売却した事案につき、売却代金は、これを一括して、共同相続人の一人に保管させて、遺産分割の対象に含める合意などの特別の事情のない限り、相続財産に属さず、各相続人は、その持分に応じて個々に分割取得する、としました(最高裁判所判決昭和52年)。

ページトップへ戻る
Copyright© 越谷市の相続・遺言の相談手続き(せんげん台駅1分/土日祝営業) All Rights Reserved.
【掲載の記事・写真・イラストなどの無断複写・転載等を禁じます】