共同相続の効力(その1)

民法第898条

相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。

 

① 相続財産は、「共有」とされていますが、第249条以下に規定する「共有」と、その性質を異にするものではありません(最高裁判所判決昭和30年)。

 

② 債権の共同相続に関して、検討しましょう。

まず、不可分債権は、遺産分割まで全共同相続人に、不可分的に帰属します。各相続人は、総債権者のために全部の履行請求ができ、弁済を受領できます(第428条)。

 

③ 可分債権について、判例は、共有説の立場から、分割承継説を採っています(最高裁判所判決昭和29年)。各相続人間に、当然に分割されるのです。

 

④ そして、最高裁判所判決平成16年は、共同相続人の一人が、相続財産である可分債権(貯金)につき、自己の相続分を超えて権限なく権利を行使した場合につき、「他の共同相続人は、当該相続人に対して、不法行為に基づく損害賠償または不当利得返還請求権を、行使できる」と、判示しました。

 

⑤ 金銭が遺産中に存在する場合、判例は、可分な金銭であるが、異なる解釈をしています。

被相続人が、多額の現金を残して死亡し、その現金を保管中の相続人に対して、別の相続人が、法定相続分に応じた金額の支払いを請求した事案です。

 

⑥ 最高裁判所判決平成4年は、遺産分割までの間は、自己の相続分に相当する金銭の支払いを求めることは、できないとしました。

 

⑦ 金銭も、他の有体物と異なる取扱いをする根拠は、なさそうです。

しかし、金銭が、遺産分割手続きにおける、不動産・動産などの分割の結果生ずる不均衡の調整に便利であることから、学説も、上記判例の結論を支持しているようです。

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