相続の一般的効力(その7)

① 債務は、原則として相続されますが、特に当事者間の個人的信頼を前提とする、保証債務や身元保証について、問題があります。

 

② 保証債務について、通常の金銭消費貸借上の債務(金額も保証期間も確定している)の保証債務は、相続されます(大審院判決昭和7年)。

 

③ これに対して、継続的取引について、将来負担することあるべき債務の保証のように、保証人の責任の限度額も、期間の限定もない、いわゆる包括的信用保証(包括根保証)債務については、通常の保証債務と異なります。

 

④ そのような保証は、保証人と主債務者との間の特別の人的信頼関係の存在を基礎とし、また保証債務が予想外に巨額となり得ます。

 

⑤ したがって、保証人たる地位は、特段の事情のない限り、保証人の死亡により終了し相続人に承継されないとされています(最高裁判所判決昭和37年も、保証人の死亡後に生じた債務につき、相続人は保証債務を負わない、としています)。

 

⑥ もっとも、ここで相続されないというのは、保証人としての地位を受け継がないとの意味です。つまり、相続開始時にすでに発生している具体的な保証債務は、当然に相続されます。

 

⑦ また、保証債務の限度額が定められている信用保証(限定根保証)債務については、責任範囲は相続人にも予測可能であり、特に苛酷な結果をもたらすこともないので、保証人の地位は、相続されます(大審院判決昭和10年)。

 

⑧ 身元保証に関しては、相続開始時にすでに具体的な損害が発生し、身元保証人が賠償義務を負っている債務は、相続されます。しかし、身元保証人としての地位は、包括的信用保証債務と同様の理由から、特別の事情のない限り、相続されません(大審院判決昭和18年)。

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