相続の一般的効力(その5)

① 債権は、原則として相続されますが、議論があるのもあります。

まず、建物賃借権(借家権)は、財産権であり、当然に相続されますが、他方で、現住者の居住保護という側面も、無視できません。

 

② そのため、借家人が、内縁の配偶者や事実上の養子などの同居者を、残して死亡した場合につき、相続権のないこれら居住者の保護が、問題となります。

 

③ 判例は、借家権の相続を前提としたうえで、居住者を保護する法律構成として、相続人がいる場合、賃貸人からの明渡請求に対して、同居者は、それら相続人の有する借家権を援用して、居住を続けることができると、しています(最高裁判所判決昭和42年)。

 

④ また、相続人からの明渡請求に対しては、権利濫用として許されない場合があると、しています(最高裁判所判決昭和39年)。

 

⑤ なお、相続人が不存在の場合については、借地借家法36条で、立法的手当てがなされています。すなわち、居住用借家の借家人が死亡した場合に、内縁配偶者や事実上の養親子の関係にあった同居者が、借家人の権利義務を「承継」します(相続ではありません)。

 

⑥ 不法行為や債務不履行による損害賠償請求権も、相続されます。

事故などで負傷し、その後に死亡した場合、負傷により被害者本人に発生した財産的損害の賠償請求権が、本人の死亡により、相続人に承継されます。

 

⑦ 即死の場合も、観念的には、致命傷と死亡との間に間隔がありますから、死亡による賠償請求権が、本人に発生し相続されます(大審院判決大正15年)。

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