相続の一般的効力(その4)

① 死亡退職金は、相続ではどのように扱われるでしょうか。

死亡退職金は、公務員や民間企業の従業員の死亡に際し、雇用主である官庁や会社から遺族に支払われる一時金です。

 

② 死亡退職金の性質は、本人の生前の功労報酬、賃金の後払い、遺族の生活保障という考え方があります。いずれの性質を持つにせよ、法令の規定や社内規則などにより、相続とは別の基準で、受給権者の範囲や順位が、決まっていることが少なくありません。

 

③ 相続の規定とは異なる範囲、順位により支給する法令または内部規定がある場合は、その受給権は、受給権者の固有の財産ですから、相続財産には属しません(最高裁判所判決昭和55年)。

 

④ 他方、内部規定がない場合については、前記の性質が関連します。

すなわち、本人の功労報酬や賃金後払い的性質を重視すれば、相続財産とされやすいと、思います。

 

⑤ また、遺族の生活保障という点を重視すれば、遺族の固有財産とされやすいと、思います。

なお、審判例は、相続財産とする例が、多いようです。

 

⑥ 社会保障関係の特別法より、死者の遺族に支払われる遺族給付は、受給権者の固有の権利であり、相続財産には属しません。

 

⑦ 所有権は、どうでしょうか。当然に、相続の対象となります。相続による所有権の取得そのものは、登記等の対抗要件の有無とは、関係しません。

 

⑧ 遺産である土地につき、共同相続人の一人が、勝手に単独相続の登記をして、第三者に譲渡した場合、他の相続人は、自己の持分につき登記なしに、第三者に対抗することができます(最高裁判所判決昭和38年)。

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