相続の一般的効力(その2)

① 被相続人の財産に属する権利義務でも、その一身に専属する権利義務は相続されません(民法第896条ただし書)。

 

② 一身専属的な関係とは、被相続人個人の人格・身分と密接なかかわりを持つため、その移転や他人による行使・履行を認めることが、不可能ないし不適当なものを指すとされます。

 

③ 民法は、死亡を法律関係の消滅原因と規定し、一身専属的なものの法定例といえるものを、規定しています。

 

④ すなわち、本人または代理人の死亡による代理関係の消滅(第111条)、贈与者または受贈者の死亡による定期贈与の失効(第552条)、使用借主の死亡による使用借権の消滅(第599条)、委任者または受任者の死亡による委任の終了(第653条)、組合員の死亡による脱退(第679条)、などです。

 

⑤ これらのほか、身分法上の関係およびそれを前提とした権利義務、例えば、夫婦間の同居協力の権利義務(第752条)、親権(第820条)、夫婦間の契約取消権(第754条)、相続人不存在の場合の相続財産分与に関する特別縁故者たる資格も、相続されません。

 

⑥ 離婚に伴う財産分与請求権に関しては、その実質として、夫婦財産関係の清算、離婚による慰謝料、離婚後の扶養、という3つの要素が含まれると解されていますが、清算と慰謝料の部分については、一身専属性が否定され、相続されます。

 

⑦ しかし、扶養の部分については、一身専属として相続されませんが、財産分与義務の相続につき、清算的部分のみならず、扶養的部分の相続を認めた裁判例もあります(大分地方裁判所判決昭和62年)。

 

⑧ 雇用契約上の労働債務、生活保護法に基づく保護受給権(最高裁判所大法廷判決昭和42年)、公営住宅入居者の使用権(最高裁判所判決平成2年)も、相続されません。

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