遺言による推定相続人の廃除(その1)

民法第893条

被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力が生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

 

① 本条は、推定相続人の廃除を、遺言によっても行うことができることを前提として、遺言執行者が、手続きをとるべきこと、および効果の遡及効を定めるものです。

 

② 遺言が、明確に相続人の廃除に言及していれば問題はありませんが、明言していなくても、廃除の効果は、終局的には推定相続人から、遺留分を奪うものですから、この趣旨を読み取ることができるときには、遺言の解釈として、遺言による相続人廃除の意思表示があるものと、解して良いかと思います。

 

③ 例えば、「A、Aの母は、親からもらった金も俸給もボーナスも、全部搾り取ったから、Aらには一円の金もやれないし、うちの物や退職金などには指一本も触れさせへん」という、死亡危急時遺言は、廃除の意思表示と解されました(大阪高等裁判所決定昭和37年)。

 

④ また、「事実上離婚が成立しているものと考えて私の現在の財産年金の受給権はAにわ一切受取らせないようお願ひします」との、自筆証書遺言も、廃除の意思表示と解されました(広島高等裁判所決定平成3年)。

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