推定相続人の廃除(その2)

① 推定相続人の廃除原因の、虐待又は重大な侮辱は、被相続人に対し、精神的苦痛を与え、又はその名誉を棄損する行為です。そして、それにより被相続人と、当該相続人との家族的共同生活関係が破壊され、その修復を著しく困難ならしめるものをふくみます。

 

② 事例として、小・中・高等学校在学中を通じて、非行を繰り返した当該相続人(被相続人の次女)が、暴力団の一員であった者と婚姻し、父母が婚姻に反対であることを知りながら、披露宴の招待状に、招待者として父の名を印刷し、父母の知人などにも送付した行為は、これに該当すると、されました(東京高等裁判所決定平成4年)。

 

③ 推定相続人である子Yが、被相続人X所有地上に、3階建てビルを建てたいと言い出したのに対して、XがYの生活態度から反対したところ、Xに魔法瓶や醤油瓶を投げつけ、あるいは玄関のガラスを割り、灯油をまいて放火すると脅すなどしたため、Xらを、やむなく親族経営の旅館へ避難させざるを得なくする行為は、虐待に該当します(東京家裁八王子支部審判昭和63年)。

 

④ 被相続人A再婚ごろから、Aと折り合いの悪い長男Yが、非協調的かつ敵対的な態度をとっており、Aの近所に住みながらも、一人暮らしのAの面倒をみようともしませんでした。そして、再婚相手の死亡に伴う遺産分割をめぐって、対立しました。

 

⑤ その際に、「千葉へ行って早く死ね。80まで生きれば十分だ」などと罵倒し、Aは家政婦にまで怯えた声で、「今からYが来る。Yに叩き殺されてしまう」と、電話したこともあるという事例では、重大な侮辱による廃除を肯定しました(東京高等裁判所決定平成4年)。

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