配偶者の相続権

民法第890条

被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第887条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。

 

① 本条は、配偶者が相続人となり、血族相続人が誰であっても、この者と常に同順位で、共同相続することを、明らかにしたものです。

 

② 離婚に際しては、財産分与で、財産関係の清算を行います。

それに準じて、婚姻の死亡解消に際しては、相続という方法で、財産関係の清算を行うものです。

 

③ 配偶者が相続人となり得るためには、婚姻届を出していなければなりません。

相続人が、戸籍から一応推定し得るのでなければ、取引の安全を害するからです。

 

④ 重婚が取り消された場合において、取消判決の確定に先立って、重婚者につき相続が開始しているときは、いずれの配偶者にも相続権が認められます。

 

⑤ 子がなく、ともに両親も死亡しているAB夫婦が、同時に死亡した場合(たとえば、同一交通事故)、配偶者として、相互に相手方を相続することはありません。

そこで、Aについては、その兄弟姉妹とその代襲相続人が、相続します。同様に、Bについては、その兄弟姉妹とその代襲相続人が、相続します。

 

⑥ 内縁配偶者には、相続権を認められません。

これに反して、内縁が破綻によって解消する場合には、財産分与請求権(第768条)の類推適用が、認められています。

 

⑦ そこで、財産分与の類推適用によって、死亡解消の生存内縁配偶者を、保護できないでしょうか。

 

⑧ しかしながら、財産分与は、財産の清算以上の内容をも、含んでいます。このように、権利内容が異なりますから、内縁関係の死亡解消の際には、財産分与の類推は否定されています(最高裁判所判例平成12年)。

 

⑨ なお、長女と婚姻した養子が死亡した場合、その直系卑属がいないときは、妻たる長女は、配偶者としての相続権のみ取得し、兄弟姉妹としての相続権は、取得しません(最高裁判所判例昭和23年)。

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