相続欠格

千間台駅前大学の、居眠教授の民法相続法ゼミを始めます。今日のゼミでは「相続欠格」について質問をどんどんしますので、居眠りはできませんよ。

教授:A君、相続欠格とは何ですか。
A君:相続欠格とは、法律上当然に相続資格がなくなることです。

教授:ではB君、相続人なのに、なぜ相続欠格として相続資格がなくなるのですか。
B君:法感情に反するからです。
相続人となるべき者が、一定の重大な違法行為をした場合、この者を相続人とすることが、法感情に反するからです。

教授:次、C君。相続欠格に該当する場合は、法律で規定されていますか。
C君:はい。相続欠格に該当する相続欠格事由は、民法で規定されています。

教授:D君、民法で規定されている以外にも、相続欠格となることがありますか。
D君:いいえ。民法で規定された以外には、相続欠格とはなりません。
相続欠格は、法律上当然に相続資格を奪うものですから、法律の規定は厳格に解釈され、適用されるのです。

教授:はい。ではE君。相続欠格事由とされているのは、いくつありますか。
E君:民法の定める相続欠格事由は5つあります。もっと大きく分ければ、次の2つです。
第一に、被相続人などに対する生命侵害に関するもの
第二に、被相続人の遺言の妨害に関するもの
と、なります。

教授:被相続人などに対する生命侵害に関するもの、とはどういうことですか。F君。説明してください。
F君:「被相続人などに対する生命侵害に関するもの」は2つあります。
まず、「故意に、被相続人または相続について先順位・同順位にある者を死亡させたり、死亡させようとしたために、刑に処せられた者」です。
次に、「被相続人の殺害されたことを知って、告発とか告訴しなかった者」です。

教授:えーと、G君。1つ目の「故意に、被相続人または相続について先順位・同順位にある者を死亡させたり、死亡させようとしたために、刑に処せられた者」を、詳しく説明して下さい。
G君:被相続人または相続について先順位・同順位にある者に対して、殺人既遂・殺人未遂・殺人予備を犯し、これによって刑に処せられた者は、相続欠格人となることです。

教授:H君に質問します。過失とか、傷害で死亡させた場合は、該当しないのですか。
H君:はい。過失致死罪とか、傷害致死罪の場合には、相続欠格とはなりません。

教授:I君。2つ目の「被相続人の殺害されたことを知って、告発とか告訴しなかった者」を説明してください。
I君:被相続人が殺害されたことを知れば、告訴・告発するのが相続人の義務ですから、これを怠った者にはペナルティとして相続欠格としたのです。

教授:次はJ君、被相続人の殺害を知って、告訴とか告発を怠れば、例外なく、相続欠格となるのですか。
J君:いいえ。告訴・告発のできない者とか、できにくい者は、相続欠格とはなりません。
是非の弁別ができない者とか、殺害者の配偶者および直系血族は、告訴・告発をしなくても、相続欠格とはなりません。

教授:K君、相続欠格事由には「被相続人の遺言の妨害に関するもの」があるとのことですが、その妨害事由に詐欺の場合がありますか。
K君:はい。詐欺・強迫によって、被相続人の相続に関する遺言の作成・撤回・取消し・変更を妨げた者は、相続欠格人です。
これは、被相続人の相続に関する遺言の自由を侵害する重大な違法行為だからです。

教授:詐欺・強迫の場合は、それだけですか。他にはありませんか? え~と、ではL君。
L君:詐欺・強迫により、被相続人に相続に関する遺言をさせ、または撤回・取消し・変更をさせた者も、相続欠格人とされています。
これは、被相続人の遺言の自由を侵害する重大な違法行為だからです。

教授:M君、被相続人の、遺言の妨害に関しての相続欠格はこれで間違いなく全部ですか。
M君:いいえ、もう1つあります。
相続に関する被相続人の遺言書を、偽造・変造・破棄・隠匿した者も、相続欠格人とされています。
これは、被相続人の、相続に関する遺言を、不明にする重大な違法行為だからです。

教授:N君、この場合の遺言書は、相続に関する遺言書でなければならないのですか? 認知に関する遺言書はどうでしょうか。
N君:遺言書は相続に関する遺言書である必要があります。
ただし、被相続人が嫡出でない子を認知する旨の遺言書も相続に関する遺言書であり、これを隠匿した者は相続欠格者であり、相続人となれません。
認知する旨の遺言書も、認知によって非嫡出子が相続人となるために、相続に関する遺言書に該当するからです。
相続に関する被相続人の遺言書を破棄・隠匿した者が、相続欠格人とされるには、破棄・隠匿の故意が必要でしょうね。

教授:ふたたびA君、その他に、相続に関して不当な利益を得る動機あるいは目的が必要でしょうか。
A君:はい。
最高裁判所の判例では、遺言書を、破棄・隠匿する故意のほかに、相続に関して不当な利益を得る動機あるいは目的が必要である、とされました。

教授:相続欠格者は相続資格を失いますが、何らかの手続きが必要でしょうか。B君。
B君:いいえ。法律上当然に、相続する権利がなくなりますので手続きは必要ありません。

教授:C君、相続欠格者になった者がかわいそうなので、被相続人が家庭裁判所に対し取消しを請求するといったことは可能ですか?
C君:いいえ。出来ません。
相続欠格は、被相続人の意思に基づいて相続資格を奪うものではないからです。

教授:ではD君、相続欠格者になると、全ての被相続人からの相続資格を失うのですね。
D君:いいえ。
相続欠格事由と関係する、特定の被相続人に対する相続資格を失うだけです。
たとえば、甲が、自分の子供乙を殺害し刑に処せられたとします。
甲は、乙を被相続人とする相続については、相続資格を失います。
しかし、甲の父親丙を被相続人とする相続については、相続資格があります。

教授:みなさん、よく勉強していますね。
次回のテーマは、プリント通りですから、予習をしっかりやってきてください。

 

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