建物賃借権の相続

建物賃借権(借家権)は財産権ですので故人から相続者に相続されます。しかし、現住者の居住保護という側面があることも無視できません。

たとえば、被相続人と同居していたのが内縁の妻や事実上の養子の場合はどうでしょうか? 家主や相続人から明け渡し請求を受けると、彼女らは住居を失うという不都合が生じます。

 

相続人が存在する場合の内縁の妻・事実上の養子の保護

判例では、借家権の相続を認めたうえで、居住の内縁の妻・事実上の養子を保護しています。相続人がいる場合には、賃貸人からの明け渡し請求に対して、同居者はそれら相続人の有する借家権を援用して住み続けられる、としています。

また、相続人からの明け渡し請求に対しては、権利の濫用として許されない場合があるとして、居住者を保護しています。

 

相続人が不存在の場合の、内縁の妻・事実上の養子の保護

この場合は、借地借家法で立法的手当てがなされています。すなわち、居住用借家の借家人が死亡した場合、内縁配偶者や事実上の養親子の関係にあった同居者が借家人の権利義務を承継する、とされています。

また、相続人不存在の場合の特別縁故者への遺産分与の制度(民法第958条の3)に基づき、内縁配偶者等に借家権が分与される余地もあります。

  1. 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
  2. 前項の請求は、第958条の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。

 

共同相続人の場合

建物賃借権の共同相続人のなかに居住者と非居住者がいた場合、居住者は保護されるのでしょうか。

判例は、居住者の保護を認めているようです。建物賃借権の相続を当該家屋の居住者ないしは世帯主にのみ認め、非居住者の相続権を否定する方法です。

また、建物賃借権は相続人全員が一応承継するものとしつつ、相続後に賃借権を行使しない者は放棄したものとみなす、との構成も採用しています。

 

解除または解約申入れの宛先

共同相続の場合に、賃貸人からの解除または解約申入れ、さらに、それらを前提とする明け渡し請求を【誰に対してするか】の問題があります。

賃貸人は相続人全員に対して意思表示をしなければならないと、解されています。

 

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